『VA-11 Hall-A ヴァルハラ』感想

 

ネタバレあり。

 

www.youtube.com

 

去年、Steamのセールで買ってからなんとなく気が乗らなくて積んでいた作品。
購入時に期待したのは世界観と音楽。
ドット絵のデザインも好みだった。

 

そろそろ消化しようと思ってプレイ開始。
期待していた部分は価格相応で満足。
今のところ『The friends of Ringo Ishikawa』ほど刺さってはこないが、雰囲気は良い。
特に音楽に関してはこだわりがあり、BGMを管理する「ジュークボックス」の編集ができる。これは50曲以上ある候補から12曲を選びBGMとして再生できる機能だ。
もし、気に入った曲に出会えれば退廃的なゲームの世界に没入できるだろう。

 

ただ、ゲーム内で3日も過ぎるとカクテル作りが面倒になってくる。
マウスプレイの場合は原料をいちいちドラッグ&ドロップしなければならないのでかなり億劫だ。原料は5種類あってレシピを参考にAを何杯、Bを何杯、Cを何杯…とシェイカーに加えていって最後にミックスかブレンドして客に提供する。


レシピの中には原料ひとつで9杯使うようなカクテルもあるので、その場合は9回ドラッグ&ドロップしてさらに他の原料も加えなければならない。
ここで厄介なのがLサイズ。
これは単純にレシピの分量を2倍にするので上の例だと原料ひとつで18回もドラッグ&ドロップが必要になる。さすがに面倒だ。
同様に、注文が重なるときは2つ作らないといけないのでこれも少し面倒に感じる。

 

おかしいと思って調べてみると、どうもキーボードでショートカットが使えるらしい。
そこはさすがに解説なりヘルプを付けてくれてもいいだろう、と思った。
ショートカットに慣れてしまえばゲームの雰囲気は悪くないので楽しめるだろう。

 

あと、海外作品の翻訳ということで少し難解な表現やまわりくどい言い方が多い。
たしかベネズエラの開発だった気がする。
理解しにくいところはほとんど流し読みだが、たまに常連から「いつもの」で注文されたときにどの飲み物だっけ?となることもある。

 

それと、これは性格か歳のせいだと思うがセリフ回しが若干鼻につくシーンもある。
といっても『ブラック・ラグーン』ほどではないし、その辺は期待していないので別に構わない。欲を言うなら主人公にはもっと「引いた」視点にいて欲しかったかな。


想像していたよりも「話す」主人公なので注文を受けるキャラとカクテルを作っているキャラが別人のように感じることもある。それならいっそ一言もしゃべらない主人公と注文を受けるキャラに分けてくれた方が没入できたかもしれないが、バーテンという立場では無理か。


まあ、あくまで欲を言えばの話。

 

世界観と音楽、デザインについては最初に触れたように満足している。
サイバーパンクという設定もあってか、ずいぶん前にプロジェクトEGGで買った『幻影都市』をやりたくなってきた。あの独特な「壊れた」世界はとても心に残っている。