映画 『疑惑』 感想

1982年作。
ネタバレあり。

 

観なければよかった。
胸糞も後味も悪い作品だった。
逆にいえば、本気で不快にさせられたという点で非常に優れた作品といえる。

 

まず、桃井かおりが嫌いなのに視聴してしまったのが間違い。
大竹しのぶと同じくらい苦手な女優なのだから、キャストのトップに名前がある時点で回避すればよかったのに、松村達雄丹波哲郎山田五十鈴北林谷栄仲谷昇といった出演者に惹かれて冒険したのがいけなかった。実際に観てみると彼らのシーンはとても短く、やっと出てきたと思ったらひとつかふたつの出番しかない。
これでは冒険した意味がない。

 

さらに、胸糞の悪い粗筋を無視して視聴したのも悪かった。
あくどいことを企んできた被疑者をどんどん追い詰めていく、という筋書きなら不快になることはなかったかもしれないが、残念ながらこの作品はそれとは逆で性悪な被疑者が夫に保険をかけさせたうえで極限まで追い込んでいく筋が埋まっている。その結果があの顛末なので、誰が演じたとしても気持ちのいい作品とは思えなかっただろう。
あまりにも生臭みが溢れる世界なので気持ちが悪くなった。

 

ただ、一般的には評価が高いようなので、一歩引いて観れる、あるいは落ち着いた感性をお持ちの方ならば楽しめるのだろう。


個人的には無理だった。


福太郎が悪いよ福太郎が。