きつい

なぜこんな仕打ちを受けなければならないのだろうか。

自分ばかりが苦しんでいるとは思わないが、何か悪いことをした罰だろうか。

なぜ本人に聞こえる範囲で、離れているとはいえ本人がいる場で、当人の…や容姿の話をしてしまうのか。

なにか恨みをかうようなことをしたのだろうか。

なにか気分を害するようなことをしたのだろうか。

もし万が一そういう想いを持っていたら当人がどんな気持ちになるのか、といったことは一切考えてくれていない。

あるいは、そもそもそんなことを考慮する必要もない程度の相手でしかないという現実をつきつけることになるとは考えてはくれない。

ただの世間話のひとつのように話される内容はひどく心に傷をつけてくれた。

苦しい。

酒を飲んでもどうにもならない。

慣れない優しさや思いやりに触れて舞い上がっていたのだろうか。

その分、現実はこうまで残酷かと苦しみ一色に染まっていく。

なぜ放っておいてくれなかったのだろう。

なぜ希望を持たせるようなことを言うのだろう。

端からそんな気持ちがないのなら言わなければいいだけなのに。

ただの社交辞令を鵜呑みにする自分も悪かった。

頭ではわかっていた。

人の言葉ではなく行動を信じること。

何を言っているかではなく何をやっているか、で判断すること。

わかっていたつもりだった。

優しい言葉に縋りついた時点でこうなることは決まっていた。

己の未熟を責めるしかない。

 

どうしたらいいのだろう。

こんな状況にありながら予定の確認をしなければならない。

以前は土壇場で断りが入った。

おそらく、というか確実に、自分が関わってしまったためだ。

だから今回も周知した時点で誰も参加しないだろうとたかをくくっていた。

ところが、ひとり、何を思ったのか興味を示して時間の確認をしてきた。

単純に集まりが好きなだけのようだが、相手方への気遣いもあるようだ。

それなら自分を抜いて開催してくれないだろうかと何度も思ったが後の祭り。

相手方はなぜか自分を都合よく指名してくる。

それもかなり頻繁に。

その都度、参加者を募ったものの誰も手をあげなかったので「それもそうか」と納得してひとりだけで参加していた。

今回もそうなるだろうと思っていたが、まさかの人物から声がかかって最初は驚いた。

半信半疑のまま今日まできたが、相手方から時間の指定がないため話は止まっている。

正直、今回は潰れて欲しい。

あるいは自分抜きでやって欲しい。

あんな話を聞かされて参加する身になって欲しい。

このまま時間の確認をしなければ流れる可能性もありそうでちょっと期待している。

が、最低限の筋として双方に確認をとらなければならないだろう。

その時点で断ってくれれば後腐れがなく済んで個人的に助かるのだが。

万が一参加するとなるとさらに確認しなければならないことがあり、それが一番厄介だ。

なぜなら、そこでもう一度傷つくことになるからだ。

前回はこの部分に引っかかりを感じたらしい数名が土壇場で断ったため、こちらはいらない痛手を負う羽目になった。

あれだけハッキリと「困ります」と言うくらいの人だ。

断る必要のないように、希望者がいれば申し出てねー、と笑いながらも気を使って周知したのだから、他の人同様に流してくれればよかったのに、どういう風の吹き回しか興味を示された。

相手方と会いたいのが理由だろうが、巻き込まれて苦しむのはこちらだ。

もう金輪際こんなことに関わるのはやめにしたい。

もう嫌だ。

いい加減人と関わるのをやめてしまいたい。

自分に人間は向いていない。

明日が怖い。